
廃プラ工場が操業して公害が広がっています、と訴える長野晃さん

向こうからハスキー犬を連れて散歩する女性がやってくる。長野さんの知り合いだ。「最近身体の調子はどうです?」「私も調子悪くなったけど、この子が」とハスキー犬を指差す。「目から血が出て、獣医に見せたら『ガンや』と。ゼンソクになった犬や猫も多いし、カラスも全然いてへんようになったね」「まず動物に現れるんですよ、それから人間ですね」と長野さん。
処理工場に次々と運び込まれる廃プラスチック
咳が止まらない、のどが痛い、鼻水が…住民たちは口々に体調不良を訴えた「一昨年11月、イコール社がテスト操業を始めてから、夜中セキが出て眠れなくなりました。おばあちゃんも体調を崩してしまって。でも不思議と旅行に行けばサッパリと治る。廃プラの影響に間違いないと思います」
「庭にキンカンの実がなるけど、今は鳥も食べに来なくなりました」
「ある日、一日中ゴミくさいにおいがして、のどが痛くなり、眠れませんでした。翌朝、今度は目がはれて顔の形相が変わってしまいました。病院へ行くとすぐに点滴。39度近い熱が出て、その日から毎日病院へ通っています」
被害者が集団発生している。これはもう「寝屋川病」だ。住民たちは操業差止めを求める裁判を起こしている。判決は来春。人間の命に関することだけに、事態は深刻。本来は寝屋川市と大阪府が、この業者を規制するべきだったと感じる。
吹田でも、廃プラ工場が作られてしまった。寝屋川のようにならなければよいが…さてわが吹田市も、東御旅町に廃プラ処理施設が建設されようとしている。この工場のすぐ裏には保育園、周囲は工場跡地に建設されたマンションだ。
「廃プラ処理施設反対!」の声もむなしく、吹田市長はこの業者に建設許可を下ろし、操業はすでに秒読みに入っている。今からでも遅くない。吹田市として調停に入り、業者に対して、操業させないような指導をするべきだと思うのだが。